平成31年立春朝搾り 添麹造り

1月5日、立春朝搾りの醪(もろみ)仕込みに向けて醪用の麹造りが始まりました。醪はタンク1本を仕込む時、3回に分けて少しずつ行われます。その最初の仕込み初添え(はつそえ)用の麹造りが行われました。午前10時に蒸かし上がり、甑から蒸かしを取り出しました。
蒸し米はすぐに30℃程度に冷やし、コンベア上で種麹が振掛けられました。
種麹が振掛けられた蒸し米は引込み用の白布に取り蔵人が麹室へ運びました。
麹室へ運ばれた蒸し米は蒸し米を包む専用の白布の上にほぐしながら置かれました。
麹室へ全ての蒸し米が引込まれた後、蒸し米は高さを整えました。
高さを整えた蒸し米は専用の白布で包み、更に保温用の白布が掛けられ午前中の引込み作業は終了しました。
夕方、切返しが行われました。切返しは新鮮な空気を供給することと粗熱と余分な水分を飛ばす目的があります。午前中に引込んだ蒸し米をまず分司(ぶんじ)と呼ばれる木のヘラで切り分けました。
切り分けた塊を蔵人が手のひらに体重を乗せて小さな塊にほぐしました。
ほぐした蒸し米は再び布の中央に寄せ、高さを整えて包みました。
1月6日、麹箱に小分けにする盛り作業が行われました。分司でお米の塊を切り分け、その塊を手でほぐし更に自動切返し機で米粒一粒にまで細かくしました。
粒にまで分かれたお米は「かすり」と呼ばれる容器で、およそ12㎏になるように麹箱に加えました。
麹箱に加えたお米は平らにならして保温用の蓋が掛けられ、隣の棚室へ運ばれました。
全てのお米を麹箱に移して、棚室へ移動した麹箱は保温用の白布で保温して盛り作業は終わりました。
午後1時に3段に重ねられた麹箱を積替える積替え作業を行い、午後4時、麹菌が自力で増殖できるようになった頃、仲仕事が行われました。麹箱に入っていた保温用の輪「破精(はぜ)落ち防止器」を取り外しお米に新鮮な空気を供給し、麹菌を米の芯に繁殖させるように余分な水分を飛ばすように手でお米をすくってあおりました。
手を入れた後、麹箱全体にお米を平らにならし、その後保温用の蓋をしました。全てに手を加えた後、再び保温用の白布を掛けて仲仕事は終わりました。その後、夜勤者が夜通し麹のお世話をしました。
1月7日朝、麹が完成しました。
出来た麹を手に取ってみました。酒母の時はお米の全体にまで麹菌を繁殖させましたが、醪用の麹はところどころお米の表面が見えるように仕上げました。香りは蒸した栗とハチミツのような甘い香りが漂っていました。
完成した麹は枯らし室にある棚に出し、塊を手でほぐしながら棚一面に広げました。
棚一面に広げた後、効率良く乾燥させる為に溝を切りました。その棚を重ねて夕方の麹入れまで枯らしました。
夕方、枯らした麹を酒母の入っているタンクへ加えました。麹を加えると麹の栗のような甘さと酒母に由来する青リンゴのような爽やかな香りが広がりました。
麹を加えて終了しました。いよいよ明日から醪の仕込みが始まります。