平成31年立春朝搾り 醪 仕込み14日目
久しぶりにまとまった雪が降った1月24日。立春朝搾りの醪は本日仕込み14日目を迎えました。仕込み室へ入ると今朝は、吟醸仕込み室では小さなタンクで仕込んだ添仕込みの醪を大きなタンクへ移す「踊り返し」が醪担当者総出で行われていました。作業の邪魔にならないように立春朝搾りのタンクへ向かいました。
早速醪の様子を覗いていました(写真上左)。今朝も表面にお米が融けたものが主体に薄く一面に広がり、醪から気泡が上がっていました。今朝は気泡の量や上がってくる大きさは昨日と比べると量は半分程度、大きさは3分の1程度に感じました(写真上右)。耳を澄まして発酵の音を確認すると気泡がはじける時にポコと鉄琴のような音色が聞こえるか聞こえないかの音量で聞こえました。続いて香りを確認すると始めに炭酸ガスの刺激は昨日の半分程、その直後に青リンゴと熟した洋ナシが混ざったような香りがほのかに感じました。
醪を観察していると門脇杜氏が仕込み室へ来て、作業前の日課としている神棚へお詣りをして(写真上左)、柄杓を持って醪の確認を始めました(写真上右)。柄杓の頭をクルクル回して表面のお米を除け、柄杓に採って醪の香りとお米の融け具合などを確認しました。発酵が順調に進んでいるようで笑みを浮かべながら吟醸仕込み室へと消えていきました。
踊り返しが終わり、朝の櫂入れが始まりました(写真上左)。櫂棒を引き上げると今朝も大きな波が立ち、醪が混ざったことで中に閉じこもっていた気泡がたくさん上がりはじけていました(写真上右)。香りを確認すると櫂入れ前に比べて炭酸ガスの刺激が1.5倍程で感じました。香りは青リンゴのような香りがやや強く感じました。
櫂入れが終わると分析用のサンプル採りを行いその後検温が行われました。今朝の品温は11.5℃と前日より0.5℃下がりました。お酒を搾った段階でアルコール度数がラベル表示の17度(16.1度~17.9度)の原酒に収まるようにアルコール発酵を管理しなければなりません。同時に香味の仕上げの段階に入っている段階の為、急激な温度変化を与えると香味にも影響が出かねません。搾るまでのこの期間は発酵管理がとても難しい段階に入ってきました。