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2019.09.30

新米新酒しぼりたて 酒母仕込み5日目~8日目の様子

蔵だより
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新米新酒しぼりたて 酒母仕込み5日目~8日目の様子

はやいもので今日で9月が終わります。市内ではキンモクセイの香りが漂い、蔵の敷地の桜の葉も少しずつ紅葉し始め、五感で秋を感じるようになりました。
さて、新米新酒しぼりたての酒母は本日仕込み8日目、湧付(わきつき)休みを迎えました。9月27日~9月30日までの様子をご紹介します。
 9月27日は酒母は仕込み5日目を迎えました。この日から弊社では暖気樽から電熱ヒーターにより加温をする行火(あんか)に替わりました。電熱ヒーターを入れる前の酒母は、お米の融けが進み粒の形が崩れ、少しずつお粥状になっていました。表面はドーム状に少し膨れていました。朝の品温は11.5℃、行火を使って加温して夕方には15.0℃となりました。香りは完熟した柿のような甘酸っぱい香りが漂います。

 

 

 

 

 

 

 9月28日、酒母は仕込み6日目を迎えました。この日も電熱ヒーターを使って加温しました。表面にはメレンゲ状の泡がところどころに広がっていました。また、タンクの縁に目を向けると液面より5㎝ほど上に泡が付いていました。温度が上がり、清酒酵母の増殖が活発化すると、酒母中に炭酸ガスが発生します。それが液面を押し上げる要因となっています。
朝の品温は昨日より0.5℃低い14.5℃、電熱ヒーターによる加温で夕方には18.0℃にしました。

 

 

 

 

 

 9月29日、仕込み7日目「湧付(わきつき)」を迎えました。湧付は暖気や行火による品温を上げる操作をしなくても、清酒酵母の増殖が出来ることを指し、増殖熱で品温を維持できるようになります。
表面には清酒酵母に由来する直径5㎝程のシャボン玉のような泡とメレンゲ状の泡が一面に広がっていました。また香りを確認すると、リンゴのような爽やかな香りに炭酸ガスが鼻の粘膜を刺激しました。
品温は朝が17.8℃、夕方は18.2℃となりました。

 

 

 

 

 

 9月30日、仕込み8日目湧付休み(わきつきやすみ)を迎えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 湧付休みとは、清酒酵母の増殖期間を指し、仕込み8日目から保温マットを外して酒母を冷却する「分け(わけ)」の期間を呼びます。
表面の泡はシャボン玉のような泡が少なくなりメレンゲ状の泡が一面に広がっていました。泡の色は前日まで真っ白な泡でしたが、今朝はややクリーム色をしてきました。香りを確認すると青リンゴにマスカットのような爽やかな香りが漂っていました。炭酸ガスの刺激は前日よりもやや弱く感じました。

 

 

 

 

 

 

 しばらく酒母を眺めていると朝の櫂入れが行われました。櫂棒を引き上げると頭の部分に大きな波が立ち、表面の泡を押しのけました。お米の融けがだいぶ進み、流動性が高くなってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 櫂入れが終わると検温が行われました。朝の品温は18.1℃でした。夕方も同様の作業が行われ18.3℃と朝より0.2℃上昇しました。
表面の泡の状態と品温を維持していることから清酒酵母の増殖は順調に進んでいるようでした。